三州瓦の再利用
三州瓦リサイクルの現状
愛知県陶器瓦工業組合では、組合加盟メーカーの瓦生産工場から発生する規格外瓦および、工事現場での廃材を無くすため、 予め工場で瓦をカットするプレカット瓦の端材を受入れ、全量リサイクルに取り組んでいます。
三州瓦業界では、瓦製造メーカーと原料粘土製造メーカーが一致団結し、 昭和60年より瓦工場から出る規格外瓦を、組合のシャモット工場で粉末状に加工し、瓦用の原料粘土に還元するリサイクルを実施しています。
  • 受入れた規格外瓦の7〜8割が、微粉砕したシャモットに加工されて瓦用原料粘土へ還元され、三州瓦として再生されています。
  • 粒度を揃えて分級した特殊シャモット等は、コンクリートブロックなどの骨材や、再生砂などの土木資材として販売しています。
  • 骨材などへの加工に伴い発生する残さ等も、大手セメントメーカー様と調整を行い、セメント原料として再利用するようにしています。

「三州瓦は焼きもののためCO2の排出量は、多いのではないだろうか?」という認識がありましたが、 業界としてCO2排出量を把握し、排出量の削減に取り組むため、愛知県陶器瓦工業組合で、 三州瓦の製造販売に伴うCO2の排出量を調査した結果、他の屋根材と比較してもCO2排出量が少ないという結果を得ました。

●LC(ライフサイクル)CO2の検証1
焼き物である瓦は、製造工程で多くCO2を排出しますが、主原料が天然 の粘土であるため原料調達段階での排出は少なく、また業界内での規格 外品のリサイクルによる原料粘土代替効果もあり、住宅1棟(30坪)あたり 1サイクル(30年)でのCO2排出量は、1431s−CO2 と計算されました。
(平成21年 年間の三州瓦生産における原料調達・製造・流通・廃棄を計算)
●LC(ライフサイクル)CO2の検証2
屋根材としての瓦の耐久性は、長い歴史により証明されており、国の定める CASBEE(建築環境総合性能評価システム)でも瓦の耐用年数は60年とされ ています。しっかりした構造躯体と適切なメンテナンスを行えば瓦屋根は 100年でも十分持つ材料であり、長く使えば使うほど環境負荷低減(CO2削 減)に貢献する屋根材です。
●LC(ライフサイクル)CO2の検証3
木のCO2吸収量は、環境省が京都議定書を基に算出している数字として 『杉の木換算係数 14kg/本』が決まっています。この係数を使い三州瓦と化 粧スレートとの比較を、分かりやすく計算してみると、
(化粧スレートのLCCO2 1,463−三州瓦のLCCO2 1,431) ÷ 杉の木換算係数 14 =2.28本分/30年
となります。あまり差は無いように思いがちですが、100年サイクルで計算 してみますと246本分/100年のCO2が削減できることになります。
三州瓦は長く使えば使うほど環境負荷の低減に貢献できるECOな屋根 材といえるでしょう。
【注】化粧スレートの数値は、カタログなど公表値を基に計算したものです。 参考値としてご理解ください。
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マルスギ株式会社
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